自分のやりたいことを実現するための2つのコツは、「目的を明確にすること」と、「貯まる仕組みをつくること」。この2つを同時にできる方法が、「積み立て」です。
積み立ては、最初の手続きさえ頑張れば、あとは、毎月自動でお金が増えるから、ほったらかしにしていて大丈夫。積み立てなら、こつこつ・ゆっくり・自分のペースでお金を貯めることができるのも嬉しいところです。
積立額を決めるのは、意外とカンタン!
積み立ては、「こつこつ・ゆっくり・自分のペースで」お金を貯めることができるとはいえ、そのときに悩むのが「毎月いくら積み立てたらいいの?」「どうやって積み立てたらいいの?」ということでしょう。
実は、毎月の積立額を計算するのはとってもカンタン!
計算そのものは、小学3年生で習う割り算でできます。でも、私たちは学校で、割り算は習っても、お金について習っていないから、やり方を知らなくて悩んでしまうのです。
まずは、毎月の積立額の出し方です。
これは、未来年表で出した、目標額を積み立て期間で割って求めます。たとえば、「2年後の結婚資金に50万円」という目標は、「50万円÷2年÷12カ月」で計算します。すると、答えは2万833円。つまり、毎月約2万円を積み立てたら、2年後には結婚資金の約50万円が貯まります。
あなたの目標も、こんなふうに逆算して積立額を出しましょう。
オトクな積み立てのカギは「目的」
積み立て方法の疑問を解決する答えは、次の表をご覧ください。
積み立てでは、目的にあった制度や商品を使って仕組みをつくることが近道になります。
何にでも使えるけれど、金利が低い「自動積立定期預金」。
職場に財形貯蓄がある人しか利用できないけれど、給料天引きで貯蓄ができる「財形貯蓄」。
値動きの変動はあるけれど、投資で増えた利益に一切税金がかからない「つみたてNISA」。
60歳以降にしかお金を引き出すことができない代わりに、税金面でのオトクが大きい「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」。
旅行目的と旅行会社が限定されるけれど、旅行好きにオトクな「旅行積立」。
それぞれの特徴を理解し、目的に合ったものを組み合わせて、こつこつ・ゆっくり・自分のペースで積み立てましょう。
目的 |
積立プラン |
概要 |
向いている人 |
注意点 |
何でもOK |
自動積立定期預金 |
銀行等で毎月、あるいはボーナス時に増額して積み立てる |
絶対に元本割れは嫌な人 |
特になし |
財形貯蓄 |
給料天引きで積み立てる(貯蓄目的が年金と住宅の時は利息に税金がかからない) |
給料から自動で積み立てたい人 |
職場になければ使えない |
老後資金 |
つみたてNISA |
国の基準をクリアした投資信託を、月額3万3333円を上限に積み立てる(最長20年間運用ができ、利益には税金がかからない) |
値動きに一喜一憂せずにお金を貯めたい人 |
投資信託は株や債券で運用するので、値動きがある |
iDeCo(個人型確定拠出年金) |
毎月5,000円以上を投資信託や定期預金で積み立てる(積み立て中、運用中、受取時に税制の優遇がある) |
老後資金目的で、お金を貯めたい人 |
60歳まで引き出すことができない |
旅行 |
旅行積立 |
毎月3000円程度から積み立てる(増えたお金に税金がかからない) |
決まった旅行会社で、計画的に旅行する人 |
中途解約では旅行券等で返還 |
今回は、「やりたいこと」「楽しいこと」の目的のための積み立て方法を紹介しましたが、お金が必要になるのは、「もしも何かあったら?」という困る出来事もあります。
そこで、次回からは「もしもの時の備え」についてお伝えしていきます。
- 監修
- 株式会社Cras 代表取締役
FPオフィス will 代表前野 彩