「余命告知や延命治療を望むか」「どんなお葬式をしてほしいか」など、親御さんと話をしたことはありますか?
「縁起でもない」とおっしゃるかもしれませんが、余命宣告の後では、もっと話しにくくなってしまいます。もしものときの話ができるのも、実は、親が元気だからこそです。
安心できる最期を
事故や病気で急にもしもの時が来たら、延命治療やお葬式の決断をするのは、あなたかもしれません。でも、あらかじめ親御さんの気持ちを聞いていたら、あなたが決断するのではなく、あなたが「親御さんの希望を叶える」ことができます。
普段は「遺骨を海に放ってくれたらいい」などとおっしゃる方もいますが、その本心を「エンディングノート」で確認しておきましょう。
エンディングノートはできるだけ薄いものを!
エンディングノートは、自分らしい人生の最期を迎えるための道具です。法律上の効力はありませんが、手軽にいろんな気持ちを書き留めることができるところが魅力です。
次の項目を親子で確認しておくと、もしものときの安心度が高まりますよ。
- 取引のある金融機関の名前(銀行、証券会社、保険会社など)
- 余命告知や延命治療の希望
- お葬式の希望と予算
- 死亡を連絡してほしい知人とその連絡先
(携帯電話に入っている情報は、パスワードがわからないと見れなくなります)
書店にいけば、たくさんのエンディングノートが売られています。同じお金を払うのなら、分厚いほうがオトクな気がしますが、エンディングノートは反対。書くことがたくさんあると、挫折してしまうかもしれません。そこで、親御さんにプレゼントする際は、できるだけ「薄いもの」を選んでくださいね。
必要なことはわかったけれど、話しにくい……
老後や介護、お葬式など、親御さんと話がしにくい方こそ、お盆やお彼岸などで実家に帰った時がチャンスです。これらの時期は、テレビや雑誌、ネットなどで「相続ネタ」が登場する傾向があるのです。テレビ欄をさりげなくチェックして、一緒に相続特集を見たり、ネットなどで見たり聞いたりした話を「友達(先輩や上司)の親がね〜」と話すのも一つです。
親の希望を叶えるためにも、そして、あなた自身が「もっと親にいろいろしてあげたらよかった」と後悔しないためにも、親御さんと話をしてみてください。
- 監修
- 株式会社Cras 代表取締役
FPオフィス will 代表前野 彩