「もしも入院したらどうしよう」と、お金のことが気になるのなら、まずは、「社会保険」を味方につけること。
入院などの医療にかかわる社会保険のアイテムは、全部で4つです。
国がつくった「社会保険」の加入率は100%
加入率100%の保険が、「社会保険」です。
あなたが会社員や公務員、派遣社員として働いているのなら、健康保険と厚生年金&国民年金が、あなたが持っている保険です。健康保険がない職場で働く人や個人事業主は、国民健康保険と国民年金、専業主婦やパート主婦なら、会社員の夫の健康保険と国民年金に加入しています。
私たちは、誰もがこの社会保険に守られているのです。
アイテム1:健康保険のおかげで、医療費の自己負担は3割
健康保険に加入していると、医療費の自己負担は、総医療費の3割で済みます。
たとえば、子宮筋腫で入院&手術をして、総医療費が70万円かかったとしても、自己負担は3割の21万円!
この3割負担が、健康保険でだれもが利用できるアイテムなのです。
アイテム2:健康保険の高額療養費のおかげで、自己負担は上限あり
自己負担は総医療費の3割とはいえ、さきほどの例に出てきた21万円を一度に支払うのは痛手です。そこで、次のアイテム「高額療養費」の出番です。
高額療養費とは、1日から月末までの1カ月の間の総医療費が高額になった場合に、一定金額を超えた部分を、健康保険がさらに負担する制度です。つまり、健康保険を使って医療を受けている限りは、一定以上負担する必要がありません。
たとえば、あなたの給料が27万円未満だとすると、1ヵ月の総医療費がどんなにかかったとしても、最終的な自己負担は、5万7,600円です。
ただし、高額療養費は、自分で健康保険に申請する必要がありますから、手続きを忘れないようにして下さいね。
【医療費の自己負担の上限】 (一部抜粋)
収入 |
1ヵ月の自己負担の限度額 |
月収27万円〜51.5万円未満 |
8万100円+(総医療費−26万7,000円)×1% |
月収27万円未満 |
5万7,600円 |
住民税非課税 |
3万5,400円 |
今回は、4つある社会保険のアイテムのうち、2つをご紹介しました。この2つのアイテムは、だれもが持っていますが、働き方によって変わるアイテムもあります。その2つは次回お伝えしますから、お楽しみに!
- 監修
- 株式会社Cras 代表取締役
FPオフィス will 代表前野 彩