「入院してお金がかかる!どうしよう……」。
そんなときの頼れるアイテムが、「健康保険の自己負担3割」と「高額療養費」でした。さらに、働き方によってはプラスアイテムがあるのです。
会社員のプラスアイテム:健康保険の傷病手当金
医療費の負担は、高額療養費があるから一定金額以下で済みますが、仕事ができない間、収入がゼロになるのは不安です。そこで、会社員や公務員、派遣社員など、給料から自分で健康保険料を納めている人だけが持つ安心アイテムが、「傷病手当金」です。
「傷病手当金」のおかげで、仕事を休んでいる間、1日あたり、給料の3分の2を受け取ることができるのです。
傷病手当金を受け取るための条件は、次の3つの条件をすべて満たすこと。
1. 仕事とは関係ない病気やケガで、働くことができず、仕事を休んでいること
2. 3日連続で会社を休み、4日以上働けないこと
3. 給料がないこと
仕事を長期間休まざるを得ない場合でも、健康保険のおかげで、収入がゼロにならないから、一人暮らしの人も安心ですね。
働くことが難しいときのアイテム:障害年金
会社員や公務員、派遣社員には傷病手当金がありますが、最長1年6ヵ月経つと終了します。そこで、傷病手当金が終わっても働けないときは、「障害年金」の申請をします。
個人事業主や主婦には、傷病手当金がありませんが、初めて受診したときから1年6ヵ月経ったときの症状に応じて、「障害年金」の申請ができます。
障害年金というと、身体的な不自由を思い浮かべる人が多いのですが、糖尿病や精神疾患などでも心身状況に応じて受け取ることができるのです。
国が最低限の収入のサポートは作ってくれているので、安心ですね。これもあなたがすでに持っている社会保険なのです。
自分のアイテムを確認してから次のステップへ
健康保険の3割自己負担制度、高額療養費、傷病手当金、そして、年金制度からの障害年金という「社会保険」がありますが、あなたはいくつのアイテムを持っていましたか?
自分の社会保険をしっかり知ったうえで、次回、「もしも入院したときには、本当に保険が必要なの?」を考えましょう。
- 監修
- 株式会社Cras 代表取締役
FPオフィス will 代表前野 彩